一条工務店で平屋を選んだ理由を聞かれると、「日当たりが良くなるから」とか「バリアフリーだから」という答えが返ってくることが多い。
でも俺の場合は違う。電気屋としての現場経験と、祖母の家で見てきたあの光景が頭にこびりついていたから、平屋にした。
弱小電気工事士の俺が、本当は二階建てが欲しかった本音と、平屋にして後悔したことも含めて全部正直に書く。
本当は二階建てが欲しかった
正直に言う。最初は平屋なんて眼中になかった。
自分の実家も、祖母の家も、どっちも二階建てだった。だから「一軒家=二階建て」という概念が染み付いてたんよ。大きな窓から朝日が入って、二階から庭を見下ろせる家。それが「いつか建てる家」のイメージだった。
でも嫁の言葉で、その感覚が少しずつ崩れていった。
嫁はちゃんと知ってたんや。俺の祖母の家の二階が、今や立入禁止みたいな状態になってることを。
友達の実家の話を聞いても、似たような話ばかりだった。子供が巣立ったら二階には誰も上がらなくなった。歳をとったら階段がしんどくなって、一階だけで生活するようになった。もったいないな、と思いながらも、自分の家もそうなるんだろうかという葛藤が生まれた。
見学会で「これは無理だ」と確信した瞬間
葛藤しながらも、完成見学会で二階建てを実際に体験しに行ったことがある。
中に入った瞬間、まず感じたのは「暑い」だった。それだけじゃない。寝室に行くために毎日階段を上り下りする、その「めんどくささ」を身体で感じた。
頭でわかってたことが、体感として落ちてきた瞬間だった。
そしてもっと怖かったのは、子供が自分の部屋に引きこもるリスクだ。二階に子供部屋ができると、一階と二階で境界が生まれる。ご飯・風呂・睡眠のためだけに一階に降りてきて、あとはずっと二階——息子にそうなってほしくなかった。
平屋にして正直「後悔した」と感じたことも一つある。部屋の面積だ。リビングをメインに据えた結果、主寝室が5.5畳、子供部屋が3.5畳と4.79畳になった。正直、狭い。ただ「リビングを家族の中心にする」というコンセプトを優先するなら、それはしょうがない取捨選択だったとは思ってる。
後悔と納得が、同時にある。それが平屋を選んだ俺のリアルだ。
電気屋として見てきた「時限爆弾」
ここからは、電気工事士としての話をする。
俺は今プラントの電気も担当しているが、化学薬品や紫外線の影響でケーブルがどんどん傷んでいく現場を山ほど見てきた。新入社員の頃、先輩から叩き込まれたのは「腕を磨けば20年30年持つ電気になる。雑にやればその分早く劣化が進む」という言葉だ。
家づくりで一番見落とされがちな盲点がある。
二階建てで「将来使われなくなる部屋」ができると、その部屋の電気設備は誰からも点検されなくなる。結線部の経年劣化は必ず進む。誰も触らないコンセント、誰も交換しない照明——それがいつ電気火災の引き金になるかわからない。「時限爆弾」という言葉以外に表現できない。
実際、俺の祖母の家の二階もそういう状態になっている。ブレーカーを二階の回路だけ切っておけばいいとはわかってる。でも、それが徹底されてる保証もない。電気屋として身内の家を見ていて、正直怖い。
| 項目 | 二階建て | 平屋 |
|---|---|---|
| 日当たり・開放感 | 有利な場合が多い | 工夫が必要 |
| 高所窓・外壁メンテ | 足場が必要になりやすい | 比較的少ない |
| 将来使われなくなるリスク | 二階に発生しやすい | 構造的に発生しにくい |
| 電気設備の点検リスク | 放置される部屋が出やすい | 全室使われ続ける |
| ペット・将来の身体的負担 | 階段の負担あり | フラットで負担少ない |
ただ、ここで「だから平屋が正解」と言いたいわけじゃない。
俺が嫁との会話でどう判断を固めたか、電気屋として設計のどこに手を入れたか——その核心はブログには書ききれない。ちょっと待ってほしい、ここからが本題だ。
「平屋にしたのに後悔した」という話と、「それでも平屋で正解だった」という確信の根拠——その両方を書いたのがこのnoteだ。今日読まなかったら、打ち合わせが一歩進んだあとで「なんであの時確認しなかったんだろう」と思う日が来る。

「家族の輪」をリビングに残したかった
平屋にして一番良かったと感じた場面は、息子とこっちゃんの話だ。
リビングから庭への動線が近い。荷物を寝室に置いたら、そのままドアを開けて庭に出られる。階段を上って下りて、ドアを探して——そういう手間がない分、気づいたらみんなで外に出てる。
カニンヘンダックスのこっちゃんは、構造的に椎間板ヘルニアのリスクが高い犬種だ。階段を上らせる必要のない家にしたのは、飼い主としての最低限の責任だと思ってる。
そして息子についても同じことを思う。二階に自分の部屋があれば、そこは「息子だけの聖域」になる。ご飯と風呂と睡眠のために一階に降りてくるだけの存在にはなってほしくなかった。リビングが家の中心で、家族の空気がそこにある——そういう家を作りたかった。
Q.
一条工務店で平屋にすると費用は上がりますか?
A.
うちの場合は毎月12万円のローン返済になった。一般的に同じ延床面積なら平屋の方が建築費は上がりやすい。ただ土地の広さや間取りの設計次第で変わるため、断定はできない。うちは90坪の土地があったから選べた判断という側面も大きい。住宅ローン控除・太陽光の売電・配当金を組み合わせて対処している。
Q.
平屋は子供部屋が狭くなりませんか?
A.
正直になる。うちは主寝室5.5畳、子供部屋3.5畳と4.79畳になった。狭い。ただリビングを家の中心に据えるコンセプトを優先した結果なので、それはトレードオフとして受け入れている。「子供部屋で過ごす時間より、リビングで家族と過ごす時間を増やしたい」という考え方の人には向いてる選択だと思う。

まとめ:後悔と納得が同時にある、それが正直な答え
平屋を選んだのは、日当たりや費用の話だけじゃない。
祖母の家の二階が誰も上がらなくなった光景、電気屋として見てきた結線部の経年劣化という現実、息子がリビングに帰ってくる家にしたいという思い——この3つが重なって、平屋という選択肢が「答え」になった。
ただ正直に言う。部屋の面積については後悔している。主寝室5.5畳、子供部屋3.5畳と4.79畳。これは狭い。リビング優先のコンセプトを選んだ代償だ。
✅ 二階は将来使われなくなる可能性がある(実家・祖母の家で実証済み)
✅ 使われなくなった部屋の電気設備は点検されず劣化が進む(電気屋として最も怖い点)
✅ 子供が二階に引きこもるリスクを最初から設計で排除した
✅ 平屋の代償として部屋が狭くなった(主寝室5.5畳・子供部屋3.5畳〜)
✅ それでも「リビングに家族が集まる家」というコンセプトは守れた
後悔と納得が同時にある。それが平屋を選んだ弱小電気工事士パパの正直な答えだ。
嫁との会話でどう判断を固めたか、電気屋として設計のどこを変えたか、その判断フロー全部はnoteに書いた。今日読んでおけば、次の打ち合わせから自分の言葉で間取りに向き合えるようになる。

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