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積立NISAの残高が増えてきて、「そろそろこのお金、何かに使ってもいいんじゃないか」と思ったことはないだろうか。旅行、車、少しいいもの。せっかく増えたんだから、と。
結論から言う。積立NISAは、目先の欲しいもののために崩した瞬間、将来の資産を大きく損なう。それも、崩した金額以上に。この記事では、その理由を実際の数字でシミュレーションし、崩したくなる衝動を止めるための具体的な仕組みまで、電気工事士として現場で稼ぎながら積立NISAを運用している俺が全部書く。

積立NISAの複利は、「時間」でしか作れない
積立NISAは、ドルコスト平均法でコツコツ買い続ける仕組みだ。いつ始めても、長期的には運用利回りが乗り続ける。
だから本来の目的は、老後の余剰資金づくり。車でも旅行でもない。目先の欲にその原資を差し出した瞬間、時間でしか作れない資産を、自分の手で削ることになる。
【シミュレーション】その100万円、今使うと将来いくら失うのか
月5万円を年利5%で積み立てると、単純計算では20ヶ月で元本100万円に到達する。運用益も乗るため、実際の評価額はこうなる。
| 積立期間 | 元本 | 評価額の目安(年利5%) |
|---|---|---|
| 20ヶ月 | 100万円 | 約104万円 |
| 10年 | 600万円 | 約776万円 |
| 20年 | 1,200万円 | 約2,055万円 |
ここで質問だ。20ヶ月時点の104万円を旅行や車に使わず、そのまま20年間放置していたら、いくらになっていたと思うだろうか。
今使うと
104万円
20年放置すると
260万円
「今104万円を使う」ことは、「20年後の260万円を捨てる」ことと同じ意味を持つ。差額の156万円は、時間にしか生み出せなかったお金だ。
この数字はあくまで年利5%を想定した試算であり、将来の運用成果を保証するものではない。ただし複利の構造そのものは変わらない。序盤で積み上げた元本ほど、時間をかけて何倍にも育つ伸びしろを持っている。
自分の条件で試したい場合は、金融庁の資産運用シミュレーションで確認できる。

知れなかった気づき|複利は「終盤」にしか本気を出さない
💡 複利のカーブは序盤ほど緩やかで、終盤に一気に立ち上がる。早い段階で積み立てた元本ほど、複利という時間の恩恵を長く受け取れる。序盤の元本を崩すことは、複利カーブの一番おいしい部分を自分で切り落とす行為に等しい。
「まだ含み益が少ないから、今崩しても大した損じゃない」という感覚は逆だ。序盤の元本こそ、一番長く時間を味方につけられる、一番手放してはいけないお金なのだ。
「じゃあ結局、どのタイミングでなら崩していいのか」については、リベ大の解説がわかりやすい。
この動画で言われている「卒業ライン」の考え方は、俺の言う「序盤で崩すな」と根っこは同じだ。判断基準を先に決めておかないと、含み益が出るたびに気持ちがブレる。
俺自身、このルールを一度破ったことがある
偉そうに書いているが、俺自身このルールを一度破っている。ヤマハ発動機が為替差損の減配ショックで急落した時、「今が底値だ」と思って積立NISAを13万円分、誰にも言わずに解約した。
底値で拾ったヤマハ発動機の含み益
数字だけ見れば成功だ。でも「儲かったから正解」ではない。株価がその後どう動くかは、あの日の俺には分からなかった。もし下がり続けていたら、老後資金を削って含み損を抱えるだけの人間になっていた。
⚠️ 結果論で自分の判断を正当化するのは、一番危険な思考だ。「うまくいったから、あの判断は正しかった」と脳が処理した瞬間、次に同じ衝動が来た時のブレーキが1段階弱くなる。今回は運が良かっただけだと、はっきり自分に言い聞かせておく必要がある。
「今が底値だ」という焦りに、俺が積立NISAを崩したその夜、何を考えていたのか。二度と同じ過ちを繰り返さないために作った3つの防波堤の元になった話を、もっと生々しく書いた。
- 13万円を崩した夜、本当は何を恐れていたか
- 嫁に話した時の、想定外の一言
- 「結果論」という言葉の本当の怖さ
崩したくなる衝動を止める、俺の3つの防波堤
「意志の力で我慢すればいい」わけじゃない。俺自身、意志だけでは崩した経験がある。だから仕組みで防ぐことにした。
✅ ログイン情報を紙に書き出して、スマホの外(金庫など)に隔離する
✅ 「欲しいもの用の資金」は、投資口座と物理的に別の口座で管理する
✅ 「今しかない」と感じた判断ほど、24時間は寝かせてから動く

夜泣きの合間にiGrowで含み益を確認する習慣も、正直「進捗確認」以上の意味はない。見た後に何も行動を変えない。それが「見ていい人」の唯一の条件だ。
これから始める人が、最初に決めるべき2つのこと
1|商品はオルカン・S&P500など「王道」に絞る
✅ 特定の国・業種・テーマに偏った商品は避ける
✅ 世界が長期的に成長し続けることに賭けられる商品を選ぶ
この条件を外すと、含み損が出るたびに「持っていていいのか」という不安が同時に湧いてくる。不安と一緒に持つ投資は続かない。
2|証券口座は、手間がかからないところで開く
続けることが最優先だからこそ、操作がシンプルな証券会社を選んだ方がいい。俺は楽天証券でNISA口座を作って、iGrowと連携して運用している。


投資の考え方を1冊で整理するなら
これから始める人には、断片的な情報より体系立った1冊を最初に読むことをすすめたい。俺も最初につまずいたのは、情報がバラバラで何を信じればいいか分からなかったことだった。
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正直に言うと、内容は広く浅い網羅型。すでに積立NISAを始めていて、もっと実践的な判断軸が欲しい段階の人には基礎寄りに感じる部分もある。最初の1冊としては良いが、これだけで実践の細かい判断ができるようになるわけではない。
季節柄、こういうものも併せてチェックしておくと、家計全体の見直しのきっかけになりやすい。
Q.
積立NISAの含み益が出た時、少し売って利益確定するのはダメですか?
A.
非課税で数十年間複利を回せる枠を、一度売ると同じ形では取り戻せない。「含み益が出た=売り時」は、積立NISAの目的そのものと矛盾する。
Q.
複利効果はいつから実感できますか?
A.
序盤(1〜数年)はほとんど元本と変わらない。複利が目に見えて効いてくるのは、期間が10年を超えたあたりからだ。
まとめ|崩さないための答えは、意志ではなく仕組みにある
積立NISAは、崩した金額そのものより、その先にあった複利の伸びしろを失うことの方が痛い。104万円と260万円の差が、それを何よりも物語っている。
✅ 王道の投資信託に絞り、不安と一緒に持つ投資をしない
✅ ログイン情報を物理的に隔離し、触れない状態を先に作る
✅ 欲しいもの用の資金は、投資口座と別で管理する
✅ 「今しかない」と思った判断ほど、24時間寝かせる
俺自身、一度だけこのルールを破って、結果的に運が良かっただけだった。その夜に何を考えていたか、正直に書いた話はこちらに置いている。
【免責事項】本記事は俺個人の投資体験・シミュレーションに基づく情報共有であり、特定の投資商品・金融サービスへの勧誘を目的としたものではありません。投資には元本割れを含むリスクがあります。シミュレーションの数値は一定の利回りを仮定した試算であり、将来の運用成果を保証するものではありません。最終的な投資判断は、必ずご自身の責任で行ってください。


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