高配当株は売るな。利確を考えた瞬間に本質が見えた

夜泣きと資産形成

含み益が出た時こそ、一番危ない

息子が生まれて約1ヶ月。
夜中の授乳が終わって、リビングに戻ってくる。
静かな部屋で、スマホの画面をぼんやり眺める。
保有株の含み益が、ちょうど「そこそこ出てる」状態になってた。
「これ、今売ったらいくらになるんやろ」
一瞬だけそう思った。
その瞬間に、なぜか脳みそが止まった。
「待って。俺、なんでこの株を買ったんやっけ。」

高配当株で利確を考えた、その日の話

前回のこの記事で「良い企業を選ぶ力と、良いタイミングで動く力の両方が揃って初めて機能する」って書いた。

あの記事を書きながら、正直めちゃくちゃ複雑な気持ちがあった。

「良いタイミングで入れた。財務も問題ない。含み益も出てる。」

「じゃあ……ここで売ったら、利益確定じゃないか。」

これが罠だった。

2022年のオリックスの時も、まったく同じ思考回路に落ちた。

あの時は「もうちょっと上がるかも」で持ち続けて、結果的に株価が落ちた局面で狼狽売りした。

今回は逆のパターン。含み益があるうちに「手放したくなった」。

でも、そこで気づいた。

「俺はインカムゲインを狙ってるんじゃなかったか。」

高配当株の利確が「正解ではない」理由

インカムゲインを狙うとは、配当金という「定期収入」を狙うということだ。

配当金は株を保有し続けないと受け取れない。

利確したら次の銘柄を買えばいい」と言う人もいる。

でも、それは全部正しいとは思っていない。

理由は3つある。

売った瞬間にインカムが止まる

保有してさえいれば、毎年・毎半期・毎四半期と継続して入ってくるお金が、売った瞬間にゼロになる。

キャピタルゲインは「一回きり」だ。

インカムゲインは「毎年継続する」。

この非対称性を無視して利確したら、俺は自分で自分の配当収入を削いでいることになる。

仕込み直しのコストと心理的負担が大きい

売ってから同じ銘柄を買い直そうとすると、株価が上がってたら高値掴みになる。

別の銘柄を探すなら、また財務分析からやり直し。

一条工務店の5000万ローンを抱えながら、深夜に赤ちゃんを抱えながら、そんな余裕は正直ない。

③ 分散が効いていれば、含み損は配当金でカバーできる

これが高配当株投資の一番の核心だと、今は確信している。

20銘柄に分散していれば、1銘柄が含み損になっても、他の19銘柄の配当金がそれをカバーし始める。

ポートフォリオ全体の「配当総額」が前回より増えていれば、それは負けていない。

これを毎回の配当額確定日に繰り返すと、不思議なことが起きる。

株価の上下がどうでもよくなってくる。

むしろ株価が下がった方が、「もっと仕込める」と思えるようになる。

これが「鬼の握力」の正体だと思っている。

減配・無配が出た時に確認すること

ただし「ただ握り続けるだけ」では危ない。

本物の鬼握力には、ちゃんと「判断基準」がある。

減配・無配になった時は、必ず「なぜか」を調べる。

確認ポイントは以下の通りだ。

一時的な要因か、構造的な要因か

設備投資の一時的な費用増なのか、本業の収益力が落ちているのかを見極める。

損益計算書の営業利益・経常利益・当期純利益の流れを確認する。

配当性向はどう変化したか

40〜50%だった配当性向が急に80%に跳ね上がっているなら、企業が無理して配当を出している可能性がある。

その場合は「将来の減配の先行サイン」として読む。

中期経営計画に株主還元方針の変化があるか

配当方針や累進配当・DOEの導入・撤廃を中期経営計画でチェックする。

「企業が株主をどう見ているか」がここに出る。

この3点を調べた上で「一時的なら保有継続」「構造的なら撤退」と判断する。

感情で動かない。数字と経営の意志で判断する。

それだけだ。

300万円で「大きな家電が買える配当」を毎年受け取る現実

「でも300万円なんて大金やん」という声は聞こえる。

そうだ、大金だ。

でも、その300万円を高配当株に分散投資した時の配当利回りを仮に4%とする。

税引き後でおよそ年間9万5千円前後の手取り配当になる。

税率20.315%適用後の概算

9万5千円。

一条工務店の家に置きたかったダイソンの空気清浄機も、ルンバの最新モデルも、ベビーベッドのグレードアップも、全部賄える金額だ。

しかも来年も、再来年も、10年後も——株価がどう動こうが、配当金は入り続ける。

これが高配当株投資のインカムゲインの本質だ。

売って一回きりのキャピタルゲインを取るより、保有し続けて毎年の「家電代」「教育費の補填」「ローン返済の一部」に充てる。

俺には5000万円のローンがある。

息子の教育費がこれから20年かかる。

こっちゃんの病院代もかかる。

毎月の配当が積み上がることで、「今月の固定費がちょっと楽になる」という感覚が、精神的に全然違う。

株を売って得た一時的な利益より、毎年・毎年・毎年と入ってくる配当の「生活への接地感」の方が、俺には圧倒的にリアルだ。

高配当株の利確しない投資で使う楽天証券の活用法

保有し続けるにしても、「分散できているか」「配当総額は増えているか」の確認は必要だ。

俺が使っているのは楽天証券のマーケットスピードⅡ。

各銘柄の配当推移・EPS推移・配当性向のスクリーニングが一画面で確認できる。

これから高配当株を始めるなら、まずここを拠点にするのが最短ルートだと思っている。

口座開設は無料で、NISA口座も同時に作れる。

NISA口座で高配当株を保有すれば、配当金への20.315%の税金がかからなくなる。

年間9万5千円の配当が、税引き前の12万円近くになって手元に残るイメージだ。

これを使わない理由がない。

配当額確定日のルーティンが「心の余裕」を作る

毎回の配当額確定日に「前回より増えてるか、減ってるか」を確認する。

これだけでいい。

ポートフォリオ全体の受取配当総額が前回を上回っていれば、それは「勝ち」だ。

株価が下がっていても関係ない。

会社の理不尽な評価制度にイライラした日も。

クソみたいな会議に2時間潰された夜も。

息子の夜泣きで朝4時に起きた翌日も。

俺の口座には、ちゃんとお金が積み上がっている。

誰かに承認されなくていい。

株価が上がらなくてもいい。

「配当が前回より増えてる」——それだけで、深夜のリビングで一人静かに「よっしゃ」と思える。

これが高配当株投資の本質だと、俺は今確信している。

まとめ:利確を考えた瞬間こそ、問い直せ

高配当株投資で利確を考えたくなる瞬間は必ず来る。

含み益が出た時。

株価が話題になってる時。

周りが「今が売り時だ」と言い始めた時。

その瞬間に、一つだけ問い直してほしい。

「俺はインカムゲインを狙ってるんじゃなかったか?」

それだけでいい。

整理すると——

① 利確はインカムを自分で止める行為

② 含み損は分散とインカムがカバーする

③ 減配・無配は「なぜか」を調べてから判断する

④ 配当総額が前回より増えていれば負けていない

⑤ 毎回の配当額確定日のルーティンが心の余裕を作る

5000万のローンを抱えながら、深夜に息子を抱っこしながら、今日も俺はこの5つの軸で株と向き合っている。

利確より、握力だ。

関連記事:

★【次回予告】

利確しない。減配は調べる。でも——「ポートフォリオ全体で何銘柄に分散すれば、1銘柄の減配をカバーできるのか」を、俺が実際の配当シミュレーションで計算したら、想像以上にシンプルな答えが出た。

免責事項: 本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。株価・配当は将来を保証するものではありません。

含み益が出た時に「売るか売らないか」を悩んだことがある人、正直に手を挙げてほしい。

俺はある。

でも今回記事に書いた「5つの軸」だけじゃ足りない部分がある。

「実際に俺がどの銘柄を何円で仕込んで、今いくら配当が入ってきているか」——そのリアルな生数字が、本当の意味での答えだからだ。

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