架空取引2461億円の衝撃と、それでも崩れなかった「24期連続増配」の意味
嫁が育休中で夜の授乳に追われている合間に、俺はKDDIの特別調査委員会報告書を読んだ。深夜、スマホの画面だけが光っている中で数字を追いながら「この銘柄、やっぱり手放せない」という確信が強まっていた。今日はその分析を全部書く。
KDDI(9433)で何が起きたのか
架空取引の全容
2026年2月6日、KDDIは子会社ビッグローブとその子会社ジー・プランにおいて、広告代理事業で長年にわたる架空取引が行われていたことを発表した。累計で売上高約2460億円が過大計上され、約330億円が外部に流出した可能性があるという大規模な不正会計事件だ。
2017年度から2025年度までの約9年間にわたり、実体のない架空取引が行われていた疑いが持たれている。

「本業」は無傷という重要な事実
投資家として最初に確認すべきことは、「配当を生み出す事業が毀損されたか」だ。今回の不適切取引はビッグローブを含む通信サービス提供には一切影響がないことをKDDIは確認している。
auブランドを中心とした通信事業、金融・IoT・ローソンとの連携で築いたキャッシュフロー──これらはまったく傷ついていない。
配当はどうなったか。事実を確認する
24期連続増配を目指す宣言
2025年3月期の年間配当金は23期連続増配となる前期比2.5円増の72.5円(配当性向44.8%)。2026年3月期は24期連続増配となる前期比7.5円増の80.0円を予定している。
これは不祥事発覚後も修正されていない。「増配の意志」が継続していることの証拠だ。
過去24年の配当成長
2002年から2026年の24年間で年間配当額は1.4円から80円へ、53倍に増加している。
https://diamond.jp/zai/articles/-/1049950
連続増配株投資の本質は、この「長期での雪だるま効果」にある。利回りだけを見て判断する投資家と、増配の質・継続性を見る投資家では、10年後の資産状況に大きな差がつく。

連続増配株投資の本質は、この「長期での雪だるま効果」にある。利回りだけを見て判断する投資家と、増配の質・継続性を見る投資家では、10年後の資産状況に大きな差がつく。
俺の銘柄フィルターでKDDIを分析する
稼ぐ力と財務チェック
2026年3月期第3四半期は売上高4兆4717億円(前年同期比3.8%増)、営業利益8566億円(同1.1%増)と増収増益を達成している。
https://finance.yahoo.co.jp/quote/9433.T/dividend
配当性向44.8%は俺のフィルター「50%以内」に収まっている。自己資本比率は27.3%と低めだが、これは通信インフラ事業の業種特性として評価する必要がある。NTTやソフトバンクも同様の構造を持っている。
経営の意志を読む
特別調査委員会の報告書によれば、関与者はジー・プランの特定個人とその協力者に限られており、組織的な事案ではないことが確認されている。
https://newsroom.kddi.com/ir-news/assets/2026/kddi_ir-1110_4384/kddi_260331_main_01_onEXBW.pdf
また発覚のきっかけがトップの「コンプライアンス的に問題ないか」という一声だったことは、経営の自浄能力を示している。隠蔽体質の企業とは本質的に異なる。
KDDI株の現在の立ち位置と俺の判断
現在の主要指標(2026年5月11日時点):
銘柄コード:9433
株価:2,527円
年間配当予想:80円
配当利回り:3.16%
PER(予想):12.87倍
配当性向:44.8%(2025年3月期実績)
連続増配年数:24期(予定)
理想の買い場の計算:
配当利回り3.5%達成ライン=80÷0.035=2,285円以下
現在の2527円は「悪くはないが最安値ではない」水準だ。不祥事後の株価動向次第でさらに下押しする場面があれば、2200〜2300円台は積極的に拾いに行くのが俺のスタンス。
NISA枠との組み合わせ
NISA成長投資枠は年240万円まで非課税で運用できる。KDDIを2300円で100株買えば23万円の枠使用で年間8000円の配当が非課税で受け取れる。1000株に積み上げれば年8万円、2000株で年16万円だ。
50年ローンの月返済額の一部が「配当で賄える未来」が、計算上では見えてくる。
まとめ──不祥事は「終わり」ではなく「判断の分かれ目」
KDDIの問題を「架空取引2461億円」という数字だけで判断して売った人と、本業のキャッシュフローと配当の継続性を確認して保有継続・買い増しを選んだ人の間には、時間が経つほど差がついていく。
俺が高配当株投資を続ける理由は、派手なリターンを狙うためではない。一条工務店の50年ローンを返しながら、息子の教育費を積み立てながら、老後も配当で生活できる基盤を今から作るためだ。
KDDIはそのための構成銘柄として、今も「ホールド継続」だ。
より詳細な月次キャッシュフロー試算と、俺が実際に設定した指値・売り基準の全データはnoteの有料記事で公開している。
https://note.com/lively_tulip856/n/ne0b43f4645d6
外部参考URL:
https://www.kddi.com/corporate/ir/stock-rating/dividend/
https://newsroom.kddi.com/ir-news/assets/2026/kddi_ir-1110_4384/kddi_260331_main_01_onEXBW.pdf
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2603/31/news121.html
https://diamond.jp/zai/articles/-/1049950
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「KDDIみたいな不祥事が出たとき、“本業への影響を自分で判断できるか”が分かれ目になる。その判断力を育てるのに、まずこういう本を一冊読んでおくと強い。俺も最初はここからだった。」 |
本記事は特定の銘柄・金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資はご自身の判断と責任で行ってください。記載の株価・配当等のデータは執筆時点のものであり、将来の投資成果を保証するものではありません。


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